17歳になったころ、ワンダラーは絶望しました。
自分は夢を持っていないと気づいたからです。
他の人は当たり前に持っているように見えるのに、なぜか彼にはそれがありませんでした。

彼は幼少期より周囲から浮くことが苦手で、常に顔色をうかがい誰かの真似をしながら生きてきました。
すべてをそこそこにこなしてきた結果、得意なことも夢中になれるものもなかったのです。

やがて、自分の目指すべき道を見つけるべく、世界を巡る旅に出ることにしました。
たくさんの人と出会い、人々に「なぜその仕事をしようと思ったのか」を聞いてみたくなりました。
しかし、言葉のない世界ではそれを知るのはとても難しいことでした。
でも、知りたい…。

そしてワンダラーは、何かに導かれるように大結晶の元へとたどり着いたのです。