一般的だと思われる、3Dモデリングの手順と“パペットK”では大きく手順が異なる。
これこそ“リアル”すぎると評判のモデリングの秘訣である。今回は特別にこの特殊技術を用いたモデリング技法について紹介したいと思う。
一番はじめに、今回制作するキャラクターを見ながらマテリアルを選定し、染料をつかってテクスチャーを制作する。
このとき染料を溶かす際には“アツすぎる”くらいの水を用いるのがポイントだ。
1で選定したマテリアルにパターンを引き裁断し、縫い合わせていく。このとき縫い目を隠す方法として、マーベラスの秘密アイテム“猫の毛を整えるやつ”を用いて生地をこすることで、縫い目がわかりにくくなる。このような細かい点がクオリティを高めるポイントとなっている。
1で染色してテクスチャーを染め上げた生地にパターンを引き、裁断していく。
2で制作した頭のモデリングにあわせながら立体的に裁縫していくことがポイントである。
こちらも1で選定したマテリアルにパターンを引き裁断し、裁縫していく。
このとき、細かい模様をつくるところは、カッティングシートなどを用いて、細かい箇所も縫い目が出ないように気を付ける。
キャラクターのアクセサリー等細かい部分を制作していく。今回は球体のアクセサリーの制作になる。球体を安定してボディにとりつけることができるよう“ちょこっと球をカッティング技法”を駆使して、のちにボディに取り付けやすい状態で裁縫する。
全体が出来上がる前にボーンの制作に入るのは、3Dモデラ―からしたら驚きではないだろうか。最新技術である“パペットK”では、 ボーンにピアノ線を用いる。通常全く変形しないピアノ線を熱し赤くなったところで形を整えモデルにカスタマイズしていく。
ひと通り各パーツの制作が終わったところで、体に各パーツを取り付けていく。
いったん各パーツを仮止めし、全体を見て問題がなければ、本縫いに入り固定していく。
細かいところを微調整していく。今回は右前髪と目を調整する。モデリングはこの時点で完成だが、よりリアルにみせるために背景を設定する。きれいな背景を設定するために、数枚の背景を繋ぎ合わせる際に無色で魔法のテープと名高い“セロハンテープ”を使うのがポイントだ。
『一騎当千エクストラバースト』ゲーム内で使われているLive2Dと比較してもその違いは歴然。
圧倒的なリアル感といえるだろう。これが最新技術を駆使した“パペットK”のクオリティの高さである。
今回『一騎当千エクストラバースト』のために、最新技術を提供してくださったのは、創業30年以上 製作実績2000体以上という3D人形技師界の巨匠であるアトリエパレット代表 伊藤修子さんである。“パペットK”以外にも人が丸ごと入る“KIGURUMI”などの制作も可能とのことだ。リアルすぎる3Dモデリングの制作を希望する方は是非訪ねてみることをオススメする。
『一騎当千エクストラバースト』では「パペットK」の採用を予定していますが ゲーム以外での採用に変更となる場合がございます。予めご了承ください。