映子(伴杏里)は、入社2年目の社会人。仕事は忙しいがデスクワークばかりで張り合いがなく、会社と家を往復するだけの変わり映えしない日々をおくっている。ある夜、映子は家に帰る途中、線路に人影をみつける。その男(ユウスケ)は、ひらりとその場を逃げ去っていった。
数日後、同じ道を帰る映子。ふと思い出して線路に行くとそこにはまたユウスケ(小西遼生)の姿があった。
どうやら、ユウスケは、夜になると街の様々な場所に花の種をまいて歩いているらしい。その行為を面白く思った映子は、勝手にそれを手伝うことを宣言する。ユウスケは戸惑いつつも映子の積極性に巻き込まれる。
こうして二人の「花ゲリラ」がはじまった。
種をまくユウスケ。それについて歩く映子。
別に「花ゲリラ」をしているつもりのないユウスケは、昼間は家に引きこもり、夜に人知れず花の種をまくことだけが唯一の社会とのコミュニケーション方法だった。
ある日線路で種をまいていると、2人は鉄道保線員の川辺(大河内浩)に見つかり怒鳴られてしまう。「花を植えて何が悪いんですか!」と反論する映子に対し、何も言えないユウスケ。
ユウスケと映子、そして川辺やその妻など、人々との出会いの中で、自分からは決して変えることができなかった生活に変化が訪れる2人・・・。
様々な思いを抱えながら日常を生きる人々は「花ゲリラ」を通して、種から芽が出てやがて花が咲くように、それぞれの中で少しずつ何かが変わっていく。